役物は、パチンコで使われる重要な用語ですが、 制度上の「役物」と、演出用部品を指す日常的な「役物」の使われ方を分ける 必要があります。
法令上は、入賞口を開く・拡大するなど入賞に直接関係する機構が「役物」として分類されています。 一方、一般の機種紹介やメーカー開発現場では、演出用の動く部品を「可動役物」「盤面役物」と呼ぶことがあります。
「役物=ロゴ落下や巨大な顔が動く演出ギミック」だけではありません。
パチンコの制度・技術を理解するうえでは、電チューやアタッカーに関係する「普通電動役物」「特別電動役物」などが本来の重要用語です。
役物とは?
「役物」という言葉は、パチンコ業界では非常に広く使われています。
ただし、 初心者向け記事でよくある 「役物=台の中で動く部品やギミック全部」 という説明だけでは不十分です。
現行の「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」では、 ぱちんこ遊技機の役物として、 第1種非電動役物、第2種非電動役物、普通電動役物、特別電動役物が定義されています。
これらは、 入賞口の入口を開いたり拡大したりして、 遊技球の入賞しやすさに関係する機構 です。
法令上の役物は4種類に整理できる
| 種類 | 基本的な役割 |
|---|---|
| 第1種非電動役物 | 電気を使わず、大入賞口以外の入賞口の入口を拡大する役物。 |
| 第2種非電動役物 | 電気を使わず、別の入賞口への入賞やゲート通過などを契機に入口を開く・拡大する役物。 |
| 普通電動役物 | 電気で作動し、大入賞口以外の入賞口の入口を開く・拡大する役物。 |
| 特別電動役物 | 大入賞口の入口を開く・拡大する電動役物。 |
第1種非電動役物・第2種非電動役物とは?
第1種非電動役物
第1種非電動役物は、 電動役物ではない役物のうち、 大入賞口以外の入賞口の入口を拡大し、 その入賞口へ遊技球が入賞した場合に作動するもの と定義されています。
第2種非電動役物
第2種非電動役物は、 大入賞口以外の入賞口の入口を開く・拡大する非電動役物で、 別の特定入賞口への入賞や特定ゲートの通過を契機として作動するもの です。
普通電動役物とは?
普通電動役物とは、 電動役物のうち、 大入賞口以外の入賞口の入口を開く・拡大するもの です。
遊技球が特定の入賞口へ入賞した場合、 特定のゲートを通過した場合、 または特定の図柄の組み合わせが表示された場合などに作動します。
パチンコで日常的に「電チュー」と呼ばれるものは、 この普通電動役物と密接に関係します。
特別電動役物とは?
特別電動役物とは、 電動役物のうち、 大入賞口の入口を開く・拡大するもの です。
大当り中にアタッカーが開放され、 通常時より多数の遊技球を入賞させやすくなる仕組みを理解するうえで重要な用語です。
また法令上は、 特別電動役物を連続して作動させることができる装置を 「役物連続作動装置」 と定義しています。
役物とアタッカー・大入賞口の関係
法令では、 「大入賞口」は 役物が作動した場合に著しく入賞が容易になる入賞口 と定義されています。
そして特別電動役物は、 その大入賞口の入口を開き、または拡大する役物です。
| 用語 | 役割 |
|---|---|
| 大入賞口 | 役物作動時に著しく入賞しやすくなる入賞口。 |
| 特別電動役物 | 大入賞口の入口を開く・拡大する電動役物。 |
| アタッカー | 一般に、大当り中に開放される大入賞口・その周辺機構を指して使われる通称。 |
可動役物・盤面役物とは?
ここからは、 プレイヤーが普段よく使う「役物」のもう一つの意味です。
現在のパチンコ機では、 液晶前にロゴが落下する、 顔や剣が飛び出す、 左右のパーツが合体する、 盤面上の大型部品が回転するといった 演出用の可動体 が多数搭載されています。
こうした装置は、 メーカーの開発・採用情報でも 「役物(可動体)」「盤面役物」 と表現されています。
KYORAKUは開発職の説明で、 映像・サウンド・ランプと並んで 「役物(可動体)」の制御プログラムを開発すると案内しています。
SANYOも開発者インタビューで 「パチンコ機の盤面役物、台枠などの設計」 と表現し、 役物がどのタイミング・速度で動けば驚きを生むギミックになるかを検討すると説明しています。
可動役物はどんな役割を持つ?
リーチ発展・当落直前・大当り告知などで大きく動き、演出を盛り上げます。
ロゴ・キャラクター・武器・モチーフを立体化し、タイアップ作品の世界観を強調します。
映像・ランプ・サウンドと同期して動くことで、画面だけでは出せない立体的な演出を作ります。
特定の作動パターンがチャンスアップや高期待度演出として設計される機種があります。
役物とギミックは同じ?
日常会話では近い意味で使われることがありますが、 完全な同義語とは言い切れません。
「ギミック」は一般語として 仕掛け・機構・演出装置などを広く表現できます。
一方「役物」は、 パチンコでは制度上の意味を持つ専門用語でもあり、 演出用可動体を指す業界用語としても使われます。
「液晶役物」という言い方は正確?
機種紹介やユーザー間で、 液晶と一体化して見える可動体を「液晶役物」と表現することはあります。
ただし、 液晶表示そのものは役物ではありません。
正確には、 液晶と連動して動く可動役物 と説明する方が誤解が少なくなります。
「抽選役物」とは?
「抽選役物」は、 玉が回転体や振り分け部を通り、 V領域や特定ルートへ向かう過程を見せるような 物理的な振り分け・入賞機構 を説明するときに使われることがあります。
特に羽根物、一発台的なゲーム性、役物抽選を特徴とする機種では、 液晶抽選とは異なる 実際の遊技球の動き がゲーム性の中心になります。
羽根物の「役物」とは?
羽根物では、 始動口への入賞を契機に羽根が開き、 拾われた遊技球が中央の役物内部を通って Vゾーン等を目指すゲーム性がよく知られています。
この場合プレイヤーが「役物」と呼ぶものは、 玉を受け入れ、内部で振り分ける中央構造全体を指すことがあります。
ここでも 法令上の個々の役物分類と、 プレイヤーがゲーム性全体を表現する「役物」という呼び方は、 完全には一致しません。
可動役物が動けば大当り濃厚?
いいえ。
可動役物の作動は、 リーチ発展・チャンスアップ・当落告知などさまざまな目的で使われます。
同じ可動役物でも、 作動タイミング、完成形、色、発光、音、他の予告との複合によって 期待度が異なる機種があります。
演出法則は個別機種の公式情報を確認します。
役物の大きさと信頼度は比例する?
比例しません。
大型の可動役物は演出の山場に使われやすい傾向がありますが、 役物の物理的な大きさだけで大当り期待度が決まるわけではありません。
役物のサイズは、 筐体デザイン・タイアップ表現・演出コンセプトなどにも左右されます。
可動役物は抽選結果を変える?
演出用の可動役物が動いたからといって、 その動作によって大当り抽選結果が後から有利に変更される、 という意味ではありません。
可動役物は、 すでに行われている抽選結果や演出選択に応じて動作し、 遊技者へ期待感や結果を表現する役割を持ちます。
法令上の役物=入賞口の開閉・拡大など遊技球の入賞に関係する機構
と分けると理解しやすくなります。
役物の故障・動作不良とは?
演出用の可動役物は、 モーター・ソレノイド・ギア・リンク機構・センサー等を使って動く場合があります。
技術資料には、 ソレノイドを利用して可動役物の開閉姿勢を制御する遊技機の構造例もあります。
そのため、 可動役物が途中で止まる、初期位置へ戻らない、異音がするなどの場合、 駆動部・センサー・機構部など複数の原因が考えられます。
役物について間違えやすいポイント
それだけではありません。法令上は入賞口の開閉・拡大に関わる役物が明確に定義されています。
必ずしも同じ意味ではありません。演出用可動体を業界で「役物」と呼ぶ別の用法があります。
近い場面はありますが、役物にはパチンコ固有の制度上の意味があります。
違います。液晶と連動する可動体を「液晶役物」と呼ぶ場合はあります。
違います。普通電動役物は大入賞口以外の入賞口を開く・拡大するものです。
違います。特別電動役物は大入賞口を開く・拡大する役物です。
共通ルールではありません。期待度・役割は機種ごとに異なります。
法令上の4分類名ではありません。物理的な振り分け機構を説明する一般的な表現です。
関連して覚えておきたい用語
まとめ
役物という言葉は、 パチンコでは一つの意味だけで使われているわけではありません。
法令上は、 第1種非電動役物、第2種非電動役物、普通電動役物、特別電動役物が定義され、 入賞口を開く・拡大するなど遊技球の入賞に関係する機構として扱われています。
一方でメーカー開発や一般の機種紹介では、 液晶前で動くロゴ・顔・剣などの演出用可動体を 「可動役物」「盤面役物」と呼ぶことも一般的です。
したがって、 「役物=演出ギミック」とだけ覚えるのも、「役物=法令上の入賞機構だけ」と限定するのも不十分 です。
「役物=本来は遊技球の入賞に関係する作動機構を指す専門用語。ただし現代のパチンコでは演出用の可動体も『可動役物』『盤面役物』と呼ばれる」 と理解するのが最も正確です。
- e-Gov法令検索「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」 ― 第1種非電動役物、第2種非電動役物、普通電動役物、特別電動役物、大入賞口などの法令上の定義を確認。
- KYORAKU 新卒採用「液晶プログラム」 ― メーカー開発現場で、演出制御対象として「役物(可動体)」という表現が使われていることを確認。
- KYORAKU キャリア採用「技術(機械設計)」 ― 玉の通り道や動きを演出する役物の設計という、物理的役物の開発表現を確認。
- SANYO 採用情報・開発者インタビュー ― 「盤面役物」の設計、役物の動作速度・タイミングによるギミック演出というメーカー側の用語使用例を確認。
- 特許公開公報「遊技機」(サンセイR&D) ― ソレノイド等を用いて可動役物を所定姿勢へ変化させる具体的な機械構造例を確認。
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